LumenRadio TNG製品で多発する故障の原因と対策について
2024年9月25日
LumenRadio社より、同社の屋内向けワイヤレス製品において、想定を上回る故障が発生しており、この原因を数ヶ月にわたり、主要無線モジュールメーカーと協力し調査してきた結果、考えられる原因とこの問題を回避する対策についての報告がありましたので、ここにその内容をお知らせします。
発生している問題について
この問題は、Stardust の 1 つ以上の出力、または Aurora、 Lunaにおいて、信号出力が低下するという現象として確認されています。これにより、受信機までの通信距離が極めて狭くなり、送信機に近接していない受信機とのペアリングが困難になります。
調査内容と原因の特定
この故障の原因に関する当初の予想は、静電気を帯びた状態で機器を取り扱い、誤ってアンテナポートに放電したことによる ESD (静電気放電) 損傷でした。障害の根本原因を見つけるために、LumenRadioでは障害のあるチップの IC サプライヤーと協力して詳細な調査を開始、この調査中、一部のデバイスに実際に ESD 損傷があることが判明しましたが、それは一部のデバイスだけで、IC サプライヤーの調査では、ESD は故障の主な原因ではないと判断されました。しかしESD 損傷はすべての RF 機器において、障害の可能性として存在するため、潜在的な故障の要因として疑念が残ります。 そこで、この問題をさらに理解するために、LumenRadio の IC サプライヤーは、IC を開いて損傷を目視検査することにより、障害のあるチップの調査を実施。
ICメーカーからの最終的な報告によると、今回の故障多発の原因は、アンテナ出力の不適切な負荷によるICのストレス損傷であることが特定されました。これは簡単に言うと、アンテナをつけずにユニットの電源を入れることで発生しうる現象ということになります。
近年のRFコンポーネントは非常に感度が高く、損傷を受けやすいのは事実で、アンテナが適切に取り付けられない状態で電源を入れると、エナジーはパワーアンプを経由してアンテナコネクターに向かって移動し、そのエネルギーはICに反射されます。機器の違いや環境の違いなど多様な要因により、必ずすべての装置が損傷するとは限りませんが、出力が高いほど、例えば280mW(US仕様)の設定にした製品の場合、損傷が発生する可能性は高まります。
損傷の防止対策
さまざまな状況や製造上の差異が損傷発生に影響を与える可能性があるため、すべての装置が損傷するわけではないですが、その可能性がある以上、極力、それを回避する方法をとるように、お願いを申し上げます。
損傷を完全に回避する最善の方法は、アンテナが適切に接続されていない状態でユニットの電源を入れないことです。アンテナなしでユニットの電源を入れたり、動作中にアンテナを取り外したり、デバイスの電源を切る前にアンテナを取り外したりしないでください。
今後の損傷防止対策(アクションプラン)について
今後、マニュアル、Webサイト、印刷物などのすべてが更新され、ユニットの電源を入れる前にアンテナの装着を促す注意を促す説明が入ります。また、今後出荷される製品には取り外しできる警告ラベルが貼られ、StardustとAuroraの起動画面はメニューが表示される前に、警告が表示され、ユーザーの承認なしではメニューが表示されません。これはファームウェアのアップデートにも反映されるため、新しいファームウェアにアップデートすると、同じく表示されるようになります。
保証について
標準保証に加えて、現在、「出力不良」の問題に特化した延長保証期間を発行しており、2021 年の TNG ボックスのリリースから 2024 年 10 月 1 日までに購入されたユニットが対象となり、その保証期間は 2025 年 3 月 31 日まで延長されます。
万が一、お使いの装置でこの問題が発生した場合は、修理保証を行いますので、ご購入された代理店までご連絡ください。