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MIRA WirelessMesh

MiraOSは、LumenRadioが開発したワイヤレスメッシュネットワーキングのための、IPv6スタックを統合した組み込みオペレーティングシステムです。

大規模なスケールでセンサーワイヤレスメッシュネットワークを実現するための特許技術に基づいたソフトウェアライセンスであり、LumenRadio社のワイヤレスメッシュ製品のプラットホームになっています。

このOSはノルディックセミコンダクター社のnRF52832およびnRF52840チップセットに最適化されており、これら無線チップセットにインストールすることで、バッテリー駆動可能な数百台のデバイスをメッシュトポロジーでつなぎ、他の電波の干渉を受けずに環境変化に自動適応するアダプティブなワイヤレスネットワークを構築する製品を開発することができます。

MIRA特長

 

  •  ワイヤレスメッシュネットワーク(自己組成・自己修復型ネットワーク)
  •  LumenRadio独自のTSCH(タイムシンクロナイズドチャネルホッピング)
  •  IPv6 / 6LowPan
  •  無線プロトコルのタイムシェアリング(Bluetooth同時使用)
  •  無線によるファームウェアアップデート
  •  超低消費電力のシステムを構築可能
  •  特許取得の認知共存機能

自己形成・自己修復型のネットワーク

 

MiraOSは、ネットワークの自己修復と自己形成化により、数千ノードを接続する比類ないスケーラビリティを提供します。MiraはLumenRadio社が特許を取得した ”認知共存技術”を利用しており、RF障害に対する最大の堅牢性と他のワイヤレスネットワークへの影響を最小限に抑えた独自のワイヤレスネットワークを提供します。

このMiraOSを利用することにより、IoTのためのローカルなワイヤレスネットワークを容易に構築し、独自アプリケーションを開発することが可能で、他の一般的なワイヤレス技術を利用するよりも高い接続性、堅牢性、そして同じ空間を利用する他のワイヤレスシステムへの影響を最小限に抑えた独自のIoTネットワークを手にすることが可能です。

ワイヤレスメッシュを使った製品例

W-DALI

              Airglow

            W-Modbus

         W-BAC-net

メッシュネットワークとは?

メッシュネットワークの特徴は、通信を行うデバイス(ここではノードと呼びます)が、相互に接続された状態で、故障などで使えなくなった経路が発生しても継続的に接続・再構成を繰り返し、各ノードがトラフィックを転送する「ホップ」 (hop)という動作をします。これにより、パケットは送信先へ向けてノードからノードへ転送され、確実に目的地に届きます。
さらに、メッシュネットワークには自己修復性があります。1つのノードがダウンしたり、1つの接続が不良となっても、新しい経路を見つけて、ネットワーク全体は常に通信経路を失うことなく運用されます。この特徴を見事に再現したワイヤレスメッシュネットワークはメッシュネットワークの典型的応用例と言えます。
これをケーブル接続で行うのは、コストの面からもまた技術的にも困難で、1つのノードが近接する複数ノードにより、いくつもの通信経路を自動で最適化する仕組みはワイヤレスメットワークならではの仕組みと言えます。

メッシュネットワークの構造

通常、メッシュネットワークには次の3つの種類のノードが存在します。

  • ゲートウェイorボーダールーター
  • メッシュノードまたはルーター
  • リーフノード

ボーダールーター、またはゲートウェイは、外の世界とのインターフェイスであり、このノードデバイスはその設備に存在する外部のネットワークにワイヤレスメッシュネットワークを接続するか、または直接インターネットを介して、例えばLTEや3Gを介してクラウドサービスに接続する役目を担います。

メッシュノードは、メッシュトポロジーを構築するために機能するノードです。これらノードは他のノードとの間でデータを転送、またはルーティングし、メッシュのバックボーンとなります。

リーフノードは、メッシュネットワークの一部であるノードですが、インフラストラクチャ構築には役立ちません。このノードはトラフィックを転送しませんが、メッシュノードを介して通信することができます。リーフノードは、多くの場合、バッテリーの制約を目的にしたノードで、エネルギーを節約する必要があるノードです。

自己修復と認知共存技術

自己修復(セルフヒーリング)とは?
ワイヤレス機器にとっての通信環境は施工時の環境から一定ではなく、電波環境は変化し続けることが常です。そのためワイヤレス通信の安全性、確実性を担保するには、セルフヒーリング(自己修復)は欠かせません。
ワイヤレスメッシュのネットワークは、環境が変化したときに、それがリペア可能であれば、自動的に問題を修復し、通信経路を自己回復します。例えば、1時間前には完璧に機能していた2つのノード間のリンクが、ある時点で、本棚や、スチール製のドアによってブロックされてしまった時など、メッシュネットワークはユーザーの関与なしに自動的にトポロジーを変更し、トラフィックを別のパスにルーティングします。ワイヤレスメッシュのシステムは、これらを自動で行い、かつMIRAのワイヤレスメッシュはホップカウントも最小になるように通信経路を最適化するアルゴリズムが組み込まれています。

認知と共存(Cognitive Coexistence )

LumenRadio社のワイヤレス技術には、独自の周波数ホッピングの技術が組み込まれています。それぞれのノードは2.4GHzの帯域で通信を行いますが、全てのノードは常に1MHzスロット単位で他の電波との衝突が起きていないかをチェックします。これは通常の通信を止めることなく行われ、衝突が発生すると通信するスロットを常に切り替えて通信を行い、自動的に衝突が発生しない帯域を中心に利用するようなアルゴリズムが組み込まれています。

一般に周波数ホッピングと呼ばれる技術ですが、接続する単位を特定の固定チャンネルではなく、1MHz単位でこれを行い、また本来の通信を止めることなく通信環境を確認する点が特異な点です。

IPv6 と6LowPan

ワイヤレスメッシュのネットワークは、相互に繋がったノードがパケットをルーティングする点で、複数のホップカウントを経てデータが目的地に到達するため、リアルタイム性を伴う通信には使えません。また例えリアルタイム性を犠牲にしても、映像や音声や大量の照明制御チャンネル伝送のような大きなデータを扱う分野には利用できません。

 

ワイヤレスメッシュは単に通信経路のバックアップの目的ではなく、複数のノードが複数の通信経路を形成しながら広範囲のエリアをカバーし、センサーデータのような定期的に小さなデータを収集するようなアプリケーション、小さなデータ等を定期的に伝送するようなアプリケーションに利用される仕組みです。

特に低消費電力のセンサーネットワークにおいては、IEEE 802.15.4に準拠した通信プロトコル6LoWPAN が多く利用されます。(IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Networks ) このプロトコルが開発された理由は、IPv6を無線のPAN上で利用するのが目的でした。

IPv6(Internet Protocol version 6)は、インターネットプロトコルの最新バージョンです。1998年にドラフト標準となり、一般的に使用されているIPv4プロトコルに取って代わることを目的としています。IPv6は、約3.4×1038個のユニークなアドレスを持ち、より大きなアドレス空間を可能にしています。 6LoWPAN(IPv6 over Low-power Personal Area Networks)は制約の多いワイヤレスメッシュネットワークなどでIPv6を使用できるようにするアダプテーションレイヤーです。IPv6を使用するワイヤレスメッシュネットワークを選択することで、セキュリティシステムやセンサー用のメッセージングプロトコルなど、多くの異なるアプリケーションに標準的なインターネットプロトコルの使用を可能にします。

MIRAメッシュネットワークは6LowPanに対応し、またIPv6のアドレスを持ち、利用するプロトコルはIPベースのオープンプロトコルになります。例えばインターネットを介してクラウドで動作するようなLWM2MやCoAP, MQTT-SNなどそれらは全てオープン仕様のプロトコルになります。

他のシステムとの違い

MIRAワイヤレスメッシュの大きな特徴は自動形成、自己修復のメッシュトポロジーに加え、RF耐性につよい独自の周波数ホッピングにより通信環境の厳しい場所(例えば工場などノイズの多い環境)でも安定して通信が可能な点と、ノード間の通信距離が他のシステムと比較して長距離である点、MIRAメッシュを用いた屋外照明制御製品であるエアーグローはノード間150mの通信が可能。屋内製品であるW-BAC-netのケースでは、見通し700m, 屋内の施工では50m~70mの距離でルーティングノードの設置が可能です。

 

ユニバーサル無線プロトコルのタイムシェアリング

MiraOSは、MiraMeshの無線通信を実行しながら同時に、他の2.4GHz無線プロトコルの使用をサポートしています。これは無線ハードウェアの稼働をタイムスライシングして共有することで実現されます。

この機能を活用した例として、MIRAメッシュに利用されるノルディック社のチップセットにはBluetoothが搭載されており、エンドユーザーはMIRAメッシュの通信を止めることなく、いつでも携帯アプリなどからBluetoothを介してハードウェアにアクセスすることが可能となり、コミッショニングやファームウェアのアップデートなどを行うことが可能です。この特徴はすでに施工されたシステムを後から拡張したりする際にも有効となるものです。

ケーブルvsワイヤレス

無線ネットワークは、無線で相互に接続されたデバイスからなる通信インフラです。 接続されたデバイスは、ユーザーが何か特別なインフラの設定を考える必要がなく、ネットワークがより広いエリアをカバーできるようにパケットを転送するのに役立ちます。

それはワイヤレスメッシュネットワークがIoT (モノのインターネット)の展開のための足がかりになると言っても過言ではありません。ワイヤレスメッシュネットワークがなければ、建物全体に大規模なネットワークを展開するにはコストがかかりすぎてしまいます。

ワイヤレスシステムを使うことで、これまで不可能と思われた範囲までデバイス間通信を実現し、工事コストと時間は圧縮冴えれるだけでなく、W-Modbusなど機器モニタリングのための仕組みは工場やビルなどの運用を止めることなく、後から簡単に追加が可能で、既存のシステムを拡張する際にも非常に手早く追加のデバイスを追加することが可能になります。

セキュリティー

ワイヤレス通信のセキュリティー、外部からのハッキングについては、どの程度安全性があるでしょうか?

ほとんどのワイヤレスメッシュネットワーク通信は安全です。Miraネットワークも、盗聴、再生攻撃などのための保護を備えたデバイス間のリンク層で強力なAES暗号化を使用しています。

また、MiraのようなIPv6ベースのワイヤレス・メッシュ・ネットワークは、銀行クラスの暗号を使用したエンド・ツー・エンドのセキュリティ・メカニズムもサポートしています。しかしながら、新しい脆弱性や攻撃は随時発見されていますので、選択したメッシュテクノロジーで、セキュリティーアップデートが必要なときにアップデートを展開するための無線ソフトウェアアップデートをサポートしていることが重要です。