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Modulo Kinetic 3D-Quickstart2

3D空間内でのプロジェクションシミュレーションやポイントクラウドを用いた3Dワープ補正など3D空間を活用する上で、その環境を構築するスキルが必要になります。ここでは、3Dオブジェクトの取り扱いや3Dビューの操作についてパート1で言及していない3Dオブジェクトの操作について解説します。

基本オブジェクトの配置

Kineticデザイナー内にはベーシックな形状のいくつかのオブジェクトが定義されており、選択するだけで3D空間に配置することができます。例えばPlaneは平面のオブジェクトで、Boxは箱の形状のオブジェクトです。3D Scene内のHierarchy タブで+キーを押すとメニューが表示され、Prefab内で任意のオブジェクトが選択できます。

追加されたオブジェクトは0,0,0の座標に配置され、3Dビューの右上部にあるツールでSelectからMoveに切り替えると、X,Y,Z座標軸が矢印表示になり、それをマウスでつかんで移動させることができます。また、選択されたオブジェクトは、画面の右下のプロパティーエリアで大きさや位置、角度などを数値で入力することもできます。

マテリアル

追加したオブジェクトには、マテリアルを指定できます。マテリアルはTextureデータなどを使い、オブジェクトの表面の質感をよりリアルな見た目に変更します。マテリアルタブで+キーを押して必要なマテリアルの数だけマテリアルを作成します。通常はスタンダードを選択しますが、必要に応じて下記の選択ができます。

  • スタンダード (デフォルトマテリアル)
  • Substance (”Sbsar”形式 AdobeのSubstance3Dフォーマットのマテリアル)
  • PBR     (Physically Based Rendering のマテリアルよりリアルな質感)
  • MatCap   (マテリアルキャプチャー 照明の反射などを含んだマテリアル)

 

ここではデフォルトのスタンダードを選択して使用します。

マテリアルを作成したら、Textureデータ(JPG, PNG等)をショーフォルダー内から直接、マテリアルのプロパティー内にあるDiffuse欄にドラッグ&ドロップしてコピーします。

それぞれのオブジェクトを選択し、プロパティー欄にあるマテリアル欄のドロップダウンリストから任意のマテリアルを選択します。

3Dモデルのインポート

より複雑な3Dモデルデータは外部の3Dモデリングソフトウェアで作成してKineticにインポートします。読み込めるファイル形式は3Dファイルの互換フォーマットを主体に非常に多様で、fbx, 3ds, obj, blend,STP…. などです。

作成した3Dモデルにアニメーションやマテリアルなどが設定されていれば、それらも含めてインポートします。

寸法ツール

3Dビューの上部には寸法測定ツールがあり、3D空間内に目安となる長さなどの表示を行うことができます。3Dオブジェクトのサイズが合わない場合、この寸法と目安にスケーリングなどで調整することができます。測定した距離などのデータは、3Dシーン内のタブにあるDimentionに一覧で表示されます。ここで作成した寸法の線や文字、色などを変更ができます。

デザインの検証

3Dモデルクリエイターとともに、ビデオエンジニアが演出空間の検証をする際、メンバー全員がKineticデザイナーのドングルを持つことで、それぞれのパートを作り込むことができます。3D空間の見た目をよりリアルに構築するには、モデリングデータへのマテリアルの設定や照明効果の設定などが必要です。またこれらショーデータをドングルを搭載したPCで再生することで、ショーのプレゼンテーションも可能です。もしカメラから見たシーンのスナップショットが必要であれば、任意のカメラのビューを静止画で書き出すことができます。

照明の追加

Light タブで+キーを押すと、照明を追加することができます。照明は3つの種類から選択ができます。

  • Point light
  • Spotlight
  • Directional LIght

照明を追加すると、照明器具のプロパティーが表示されます。ポジションは照明器具の位置、ターゲットは照射面の位置を指定できます。(照明のフォーカシング)スポットライトを選択して、インナーコーンとアウターコーンのパラメーターを操作すると照射面のサークルのフォーカスがソフトになったり、シャープになるのがわかります。

明るさの設定は、ルーメンのパラメーターを操作します。カラーモードで色温度の設定なども可能です。照明の設定とマテリアルの作り込みで、非常にリアルな3D空間が構築できます。3Dデザインの多くのオプション、パラーメーター名などは、3Dモデリングソフトと共通であり、3D製作に詳しい方はすぐに設定を理解することができます。

 

オブジェクトに映像をMapする

3Dオブジェクトをインポートする時にUVマップやアニメーションなども同時に取り込めますが、ここではKineticのピクセルワークスペースとなるレンダーサーフェースをオブジェクトに貼り付ける方法を説明します。ボックスやプレーンなどのオブジェクトにレンダーサーフェースをアサインすることで、例えばLEDウォールのような効果をシミュレーションすることができます。

 

マテリアルを追加し、名称をVideoなどわかりやすい名称にしておきます。映像を再生するレーダーサーフェースを作成し、任意のレンダーサーフェースをVideoマテリアルのDiffuse欄にドラッグ&ドロップします。

すでに配置したボックスオブジェクトの前に、Planeオブジェクトを配置し、プロパティーのマテリアル欄で、表示されるリストの中からVideoを選択するまたは、マテリアルを直接、3Dビューのオブジェクトにドラッグ&ドロップしても適用されます。