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Pharos Designer LPC QucikStart Guide

Designer2を初めて使う

 

ここではPharosライティングコントロールのデザイナーレンジ製品のプログラミング方法について、特に初めてこのソフトウェアに触れる方に向けて、簡単にその使い方を解説します。ソフトウェアはフリーでダウンロードが可能で、プロダクトを持たなくとも、ソフトウェアの中だけで照明の変化を見ながら、使い方を練習することができます。ソフトウェアはダウンロードリンクから、Pharos社のサイトへ行き、WinまたはMACのどちらかのバージョンを選択し、ご自身のデスクトップにインストールしてください。

ソフトウェアの起動

Designer2のインストーラーをダウンロードし、インストールした後、起動するとブランクプロジェクトの状態で起動します。何度か起動していると、ソフトウェアのレジストレーションのWindowが開きますが、これは任意です。不要であればWindowをクローズしてください。

まずプロジェクトの作成から始めます。上部、左端のタブでNew Projectを選択します。

 

デバイスの選択ウインドウが開き、新しいプロジェクトで利用する製品の選択になります。ここでは使用するコントローラーハードウェアとして LPC,  LPC-X, TPC, VLC, VLC+ の中から選択が可能です。

ここでデバイスを選択する場合は、実機との関連付けが後ほど、必要になります。ソフトウェア上で学習だけを目的にする場合は、この方法で開始してOkです。デバイスを選択すると直ちにプロジェクトが起動します。

カスタムを選択すると、ウイザード形式で設定を行うことが可能です。(下記スクリーン)

カスタムを選択した場合は、上図のようにまずプロジェクトに関する情報を入力することから開始します。プロジェクトの名称、作成者、設置する都市の入力(これは日の出、日の入りなどのトリガーを使用する際に意味を持ちます)

次のステップでは、同じネットワークに接続されたデバイスを左のリストに表示し、+ボタンを使って作成しているプロジェクトに追加することができます。カスタム設定では実機を使って設定を行うことが前提となります。

レイアウト作成

 

デザイナーソフトウェアのプロジェクトがロードされると右の画面のようなスクリーンになります。左端に縦に並ぶタブで画面を切り替えます。デザイナーソフトウェアのワークフローは、まず使用する照明器具の選択と配置からスタートします。プロジェクトタブでは、現在開いているプロジェクトの詳細な設定を行うことができますが、これはいつでも変更が可能です。

レイアウト画面では、上部にあるルーペアイコンで拡大や縮小ができるほか、スクリーン全体表示、表示倍率設定などで画面の見た目を自由に変更できます。照明器具の配置は、右のライブラリーから任意の器具をレイアウト画面内へドラッグ&ドロップすることで配置ができます。

 

 

レイアウト画面は上部のNewを選択することで自由に追加が可能です。プロジェクトで管理する他の照明器具のレイアウトなど配置状況の異なる照明器具用にいくつでもレイアウト画面を用意できます。また、Manageをクリックすると現在開いているレイアウトの設定を行うことができます。レイアウト名、画面のピクセルサイズなどを設定するとともに、バックグラウンドイメージを追加することで、平面図や図のようなイメージ写真を下敷きにし、照明器具を配置する際にわかりやすく表示することができます。またデフォルトではグリッドが24ピクセルサイズで表示されていますが、このグリッドサイズを任意の数値に変更が可能です。

ライブラリーから選択する照明器具はメーカーごとに分類されていますが、一般的な照明器具(1ch)の場合、Genericのライブラリーから、コンベンショナル8bitを選択します。またLEDの場合、RGBであれば同じくGenericライブラリー内の “LED RGB 8bit”を選択してください。

選択した照明器具を画面上にドラッグ&ドロップすると、四角の表示かまたは円形で表示されます。この器具の大きさはデフォルトでグリッドサイズと同サイズで設定されていますが、右のパネルのライブラリー下部にあるプロパティー欄で任意の大きさに変更が可能です。

照明器具の配置

 

ライブラリーからドラッグ&ドロップでレイアウト画面に配置した照明器具は選択されると赤で表示されます。これを右クリックで表示するメニューからDuplicateを選び、任意の台数までコピーして増やすことができます。

Duplicateを選択すると、ダイアログが開き、Width(横方向に増やす数)Height(縦方向に増やす数)を入力できます。器具同士の配置幅を調整する場合はHorizontal Spacing とVertical Spacing の欄にグリッド数以上の数値を入れることで調整できます。

 

次のステップでは、照明器具の並べる順番を決めます。これはIDを割り振る作業(パッチ)の際に重要な意味を持ちます。デフォルトでは左端を起点に右に向かって順番に並べ、その後、次の列に下がって同じように右に並べて最下段へ向かいます。

次のステップでは、すでにセットアップしたコントローラー(LPC等)があれば、それを選択し、DMX出力のプロトコルなどを選択を行うことで自動的にパッチ(器具へのID割り当て)を完了することができます。この作業はここで行わなくとも、後でいつでもパッチという作業で設定が可能なため、ここで必ずしも行う必要はありません

Patch 照明器具へのID割り当て

 

レイアウト画面で配置した照明器具に対し、それぞれのDMX制御チャンネルを割り振る作業がパッチといいます。Patchタブを開くと、追加した照明器具が順番に左のリストに並んでいます。これらを選択し、右のDMX出力チャンネルのパネルにドラッグすることでパッチが行われます。

照明器具個々に選択または複数選択することで複数の照明器具のパッチが行われます。選んだ順番ごとに連続して出力チャンネルが割り当てられますので、必要に応じて、個々の器具を必要なチャンネルに移動して調整します。

DMXは512チャンネルを一単位としてユニバースと表現し、右図のLPCの場合、2つの出力が搭載されていますので、DMX1または2のユニバースを選択して下部の1~512の表示を任意のユニバースに切り替えてパッチします。

 

LPC4やLPC-Xのようにさらに多くのユニバース出力が可能な製品の場合、DMXユニバースはローカルポートを使わず、イーサネットベースの出力を選択します。この場合、上部のメニューにあるNew Univers で、任意のプロトコルを選択して必要な出力ユニバースを追加してから、パッチを行います。

固定シーンの作成

 

固定された色や明るさを設定する静的な照明シーンはシーンパネルで設定します。左のタブでSceneを選択し、右のパネルにあるNewボタンをクリックしてシーンを1つ追加します。追加したらそのシーンを選択してから、センターのパネル内で制御したい照明器具を選ぶと右のパネルに操作パネルが開きます。対象がLEDであればカラーピッカー、コンベンショナルライトの場合は明るさを制御するゲージが現れます。

シミュレーション画面

 

 

 

シーンタブが選択された状態で、Simulateタブにカーソルを合わせると小ウインドウが表示されるので、これを選択するとシミュレーションウインドウが別枠で分離されて表示されます。これをセカンドスクリーンなどにおくことで、自分が操作した照明変化を確認しながらシーン作りなどを行えます。またシミュレーション画面はコントローラー製品などをもたなくとも、デザイナーソフトウェアだけで、そのプログラミング方法を学習するのに役に立ちます。

タイムライン 動的シーンの作成

時間とともに変化する動的照明シーンの作成はタイムラインタブで行います。先のシーン作成で照明シーンを作成途中であった場合や照明シーンが選択されたままの場合、照明シーンが出力されたままになるため、照明シーンのタブ内、ClearEditorでシーンを一度解除してからタイムライン作成を行ってください。

タイムラインタブを開くと、画面には左にレイアウトした照明器具が並び、個々の照明器具は横軸を時間軸として表示されます。右にあるパターンライブラリーから任意のパターンを選択してタイムライン上にドラッグ&ドロップすることで、それらエフェクトを適用できます。

タイムライン編集

 

タイムラインはレイアウトに配置した器具全体に対してのタイムラインに加え、器具個々にもタイムラインがあり、器具グループ全体にパターンを適用又は器具個々に異なるパターンを適用することもできます。右のビルトインエフェクトのライブラリーから任意のパターンを選んで、それを適用すると、そのエフェクトのパラメーターがライブラリーウインドウの下部にプロパティを表示します。

このプロパティー内のパラメーターを変更することでエフェクトの動きや見た目が変化します。シミュレーションウインドウを見ながら、学習してください。タイムラインはいくつでも作ることができ、上部のNewをクリックして追加することができます。またタイムラインの再生はスペースバーを押して再生ができますが、デフォルトでは1ショット(一回再生して終了)上部にある再生オプションの”→”を繰り返しに切り替えると、エンドレスで再生をします。

 

トリガー設定

 

Pharosコントローラーで作成したタイムラインや照明シーンは、時間など何らかのトリガーにより実行を行うことが前提です。Pharos製品は照明を自動制御するための設備向けコントローラーであり、これらトリガー設定は、時間だけでなく、外部接点の入力、UDPのメッセージ、タッチパネルのボタン入力など多彩なトリガー設定が用意されます。このトリガー設定を行い、全てのデータを製品のアップロードした後は、その条件に従いデザイナーシリーズ製品の運用が開始されます。

トリガー設定はトリガータブを開いて行います。上部のNewから必要な条件を選択します。時間で制御を行う場合は、RealTimeを選択します。照明制御のスケジュール設定もこのトリガーを使用してスケジュールを作ります。

Real timeトリガーを選択すると、右のパネルにパラメーターが表示され、Editボタンで条件設定のウインドウが開きます。年、月、日にち、時間の設定を行なってください。

トリガー設定の次は、そのトリガーで行うアクション設定になります。Action欄のNewで実行するアクションを選択します。

タイムラインをスタートさせる場合は、Start Timeline、固定シーンを再生する場合は、Start Sceneを選びます。Type欄の下にあるプルダウンメニューから目的のシーンやタイムラインを選択して完了です。

実機のプロジェクトへの追加

 

全ての設定が完了したら、実際の製品にデータをアップロードする作業が最終段階になります。以上までの作業は、実機がなくとも行うことができましたが、実際のLEDなどにDMXラインを繋いで、制御のテストを行いながらまた、製品にデータをアップロードするには製品が必要です。

ネットワークタブを開くと、デザイナーソフトが起動しているPCと同じネットワーク上に存在するハードウェアが表示されます。赤い表示はファームウェアがデザイナーより古いことを示し、選択してReloadFirmware によりアップデートが可能です。黄色の表示はセキュリティーが無効になっており、ユーザーを追加することで、セキュリティーを有効にすることができます。青表示で鍵マークが開錠されているものはセキュリティーが有効で、現在ログインされているものになります。

 

 

デザイナーのワークフローの最終段階で、ハードウェアをプロジェクトに追加する作業が必要になります。上の図ではプロジェクトにすでにコントローラーが追加されており、プロジェクト内に取り込まれたハードウェアは、文字が黒で表示され、IP番号やキャパシティー、名称とシリアル番号などが表示されます。プロジェクト作成の初期段階でカスタム設定を選んだ際に、プロジェクトで使用するコントローラーを追加した場合は、上図のようにすでにコントローラーはプロジェクト内にある状態で表示されます。

上の図ではプロジェクト作成段階で、LPCを選択して起動したものの、このLPCは実機との関連付けがされておらず、また実機のコントローラー2つは番号も名前も表示されず、まだプロジェクトに取り込まれていない状態を示しています。任意のデバイスをプロジェクトに追加する場合は、追加したいデバイスを選択し、右クリックするとリストが表示されるので、Add to Projectを選択して取り込みます。

すでに仮設定したLPCに実機を関連づける場合は、画面内のLPC(仮登録したLPC)を選択し、右のパネル内にあるシリアルナンバー欄をクリックすると、ネットワーク上にある適用可能な実機のシリアル番号が表示されますので、任意の製品のシリアル番号を選択すると、仮登録していたLPCが実機に置き換わり、利用可能となります。

データアップロード

 

これまで作成したデータを実機にアップロードすることで、Pharosのコントローラーは自動運転を開始します。アップロード可能な製品はプロジェクトに追加されており、且つセキュリティーが解除されているもの(黄色の鍵解錠又はブルーで解錠)になります。上部のタブでUploadを選ぶとダイアログが開き、データをアップロードすることができます。