LPC製品の機能制限について
LPCシリーズ製品のプロジェクトへの追加やプログラミング能力の上限について下記に記載します。これらはデザイナーソフトウェアの機能上限を含みます。
作成可能タイムライン数 | 500 | |
カスタムパネル数 | 256 | |
メディアプリセット数 | 256 | |
フォント数 | 128 | |
シーン数 | 500 | |
フォルダー数 | 256 | |
トリガー数 | 1024 | |
1トリガーにおけるコンディション数 | 32 | |
1トリガーにおけるアクション数 | 32 | |
トリガースクリプト | 256 | |
IOモジュール | 256 | |
1プロジェクトにおける LPC製品の追加 | 40 | |
LPCシリーズでリモートデバイスの追加制限数は同じ?
LPCはDMXユニバースの数で、LPC1,2,4の3製品がありますが、これら製品はすべてリモートデバイスを使って入出力ポートを追加することが可能です。
https://mileruntech.co.jp/rio-with-lpc/
LPCは1つのプロジェクト(デザイナーソフトウェアによるプログラム)に対して最大40台を追加し、1つのシステムとして制御ができますが、リモートデバイス(RIO,RIO-A、RIO-Dといった製品)はプロジェクトに最大200台を追加して使用が可能です。しかしながら、このリモートデバイスはLPC個々に対して付随させる形で追加するため、プロジェクト全体では200台でも、個々のLPCに対して追加可能な数には制限があります。下記の表にその制限数を記載します
LPCの種類 | 追加できるリモートデバイスの数 | |
LPC1 | 16 |
|
LPC2 | 32 | |
LPC4 | 64 | |
LPC-X |
100 |
もし、16台以上のリモートデバイスをプロジェクトに追加して使用する場合は、一度、ご相談ください。そのプランで実際に可能かどうか?メーカーと協議をして回答させていただきます。
LPCのファームウェアをアップデートする方法
LPC、VLCなどデザイナーシリーズのハードウェアは全てデザイナーソフトウェアによりファームウェアが管理されます。デザイナーソフトウェアのバージョンとLPCなどハードウェアのファームウェアバージョンは一致している必要があり、一致しない場合はプロジェクトへの追加もデータのアップロードもできません。
実機のファームウェアとデザイナーのバージョンが一致しない場合、ネットワークタブに表示されるLPC等は赤字で表示されます。LPCのファームウェアをデザイナーと一致させるには、Reload firmware でデザイナーからLPCのファームウェアを更新します。
この作業はファームウェアをニューバージョンに更新するだけでなく、新しいバージョンのファームウェアをダウングレードする際にも同じ方法を用います。使用するデザイナーのバージョンと同じファームウェアがLPCに書き込まれます。
LPCが起動しません。リカバリー方法を教えてください
LPCのファームウェアアップデート中に電源を落としてしまった場合や、ファームウェアやデータに致命的な問題が発生してLPC自体が起動しない、又はデザイナーソフトからアクセスできないなどの問題が起きた時、LPCをファクトリーリセットしてリカバリーする方法があります。当社で販売するLPC1,2又は4については、シリアル番号 006xxx 以降の製品です。ここで説明するリカバリー方法はシリアル番号006xxx以降の製品に有効です
- LPCのメモリーカードを引き抜きます。(一度、カードをワンプッシュすると少し飛び出すので、それを引き抜きます)
2 カードリーダー等を使い、PCでカードを読み取ります。
3 カード内の全てのファイルを削除します。(必要な場合はデータなどのバックアップを行ってください)
4 デザイナーソフトをインストールしたPCやMACのディレクトリーから LPC.app ファイルを見つけてカードにコピーします。
Windowsの場合
Cドライブの Program files > Pharos controls > Designer2 > Firmware
MACの場合
アプリケーション内のDesignerアプリを右クリックしてパッケージを開きます。Contents > Resources > Firmware
5 LPC.appをコピーしたカードを再度、LPCにインサートして、LPCを再起動します。通常よりも時間がかかりますが、Active Lampが点灯するまで待ちます。
6 起動するとLPCのファームウェアは現在のデザイナーと同じバージョンでリストに表示されますが、通常通り、Reload Firmware でLPCのファームウェアを書き換えます。
7 再度、LPCからメモリーカードを抜き取り、カードリーダーを用いてPCに接続します。4の手順でコピーしたLPC.appをメモリーから削除します。
8 メモリーカードをLPCに挿入して再起動で完了
LPCが赤字でリストに表示されてプロジェクトに追加できません
LPCのファームウェアはデザイナー2ソフトウェア(プログラム編集用のデスクトップソフトウェア)と関連しており、LPCのファームウェアは個別に管理するのではなく、使用するデザイナーソフトウェアで管理します。下記のようにデザイナーのバージョンとLPCのファームウェアが異なる場合、LPCはネットワークタブ内で赤字で表示され、プロジェクトへの追加ができなくなります。(デスクトップソフトのデザイナーが古くても、新しくても、LPCのファームウェアと一致しない場合は赤字です)
LPCのファームウェアバージョンは使用するデザイナーのバージョンに合わせてリロードすることができます。デザイナーの上部のタブでリロードファームウェアをクリックすると確認のダイアログが開き、Start をクリックすると現在使用しているデザイナーのバージョンに合わせたファームウェアがLPCにロードされます。再起動したLPCはデザイナープロジェクトに追加できるようになります。
LPCのファームウェアを変更したくない場合
現在LPCが運用中で、ファームウェアを更新したくない場合は、LPCのファームウェア用のデザイナーバージョンを下記のソフトウェアアーカイブからダウンロードして使用するPCにインストールしてください。LPCのファームウェアバージョンはネットワークタブで表示されたLPCのリストを参照してください。
デザイナーソフトウェアは現在インストールしているバージョンよりも古いものであっても、上書きでインストールできます。同様にLPCのファームウェアも現在よりも古いものでも、先のReload Firmware により上書きが可能です。
LPC-XはVLCと同じじゃないの?(価格も高いのはなぜ?)
LPC-Xの外観はVLCと同じですが、その能力はVLCよりも高く、LPCのように自由にすべての照明器具をセットアップし、(VLCではムービングライトのような器具はセットアップできません。あくまでビデオウォール用のピクセルのみ)無制限のグループ登録、ビルトインパターンをつかった照明デザイン、スタティックシーンの作成、ピクセルマトリクスを使いVLCのように映像で照明を制御する等のすべての機能が同時に動かせます。
そのため、LPC-XにはVLCよりも高いプロセッシング能力が要求され、外観は同じでもVLCよりも強力なプロセッサーが搭載され、VLC以上の照明デザイン能力をもちます。そのため価格面でもVLCより高価になりますが、VLCが照明をドライブするのに映像だけに頼らなくてはならないのに対し、LPC-Xはより自由に照明デザインを行う能力を持ちます。
LPC製品のクロック誤差について知りたい
LPC製品は時刻補正にSNTPサーバーを必要とします。もしインターネット接続ができず、長期間時刻補正をしなかった場合、1年間で発生する時刻の誤差は +/- 2ppm(Parts per million)が想定されます。これは屋外の場合 +/- 7.5ppmまで上昇する可能性があります。これを1年間で換算するとベストケースで +/- 1分、悪いケースでは+/- 4分の誤差が想定されます。
そのため、もしインターネット接続ができない環境にLPC /TPCの設置を行う場合、ローカルネットワークに接続可能なタイムサーバーの使用をご検討ください。
LPC vs LPC-X
LPC製品の特徴
LPCは小型ファンレスのDINレール設置型のデザインのため施工場所に柔軟性のある製品です。DMX出力数の違いで、下記のモデルが用意されています。
- LPC1 DMX512ch出力モデル
- LPC2 DMX1024ch出力モデル
- LPC4 DMX2048ch出力モデル
上記モデルの全て、2ユニバースまでの出力においてはローカルポート(ターミナル接続)の利用が可能で、3ユニバース以上はイーサネットベースの出力になります。
この小型筐体ファンレス仕様の設計は、DMX出力数においてその限界点が現れます。DMXチャンネルの最大出力数は4ユニバースまでで、これ以上のチャンネルが必要な場合、複数のLPCをプロジェクトに加えるか、LPC-Xを利用するかの議論に入ります。
LPC-Xの特徴
LPC-Xはラックマウントタイプのハードウェアで、LPC-10〜LPC100までDMX出力数10ユニバース刻みで(10の場合5120ch ) 10モデルが用意されます。LPCと異なり大型のハードウェアでファンを搭載したモデルのため、空調のある適切な環境の制御室への設置を前提とする製品です。
LPCと異なり、出力は全てイーサネットベースのため、DMXを取り出すためにはイーサネット<>DMXのコンバーターを必要とし、LPCに存在したMIDI入出力や、コンタクトクロージャーの入力などもないため、外部から接点を受けて制御を行いたい場合など、必ずRIO等のオプションハードを追加する必要があります。
LPC-Xは単体で最大100ユニバースのDMX出力を許容するため、VLCのような映像を活用したピクセルマトリクス機能をより効果的に活用できる製品です。そのためイーサネットポートは制御通信用とは別にデータ専用のポートが用意され、負荷のかかるDMX用に独立したイーサネットポートが利用できます。またこれに伴い映像などをインポートすることを考慮してデータストレージは16GB程度のSSDが搭載され、LPCよりもストレージも強化されています。(LPCは2GB程度のSDカード)
これらの特徴を勘案し、プロジェクトに合わせた製品選択をお願いします。
LPCはどんな現場に利用する装置ですか?
LPCはDinレールにマウント可能な小型の照明コントローラーです。この装置により照明を自動で制御できます。LPCの特徴は小型で設置環境を問わないファンレスのコントローラーで、設置した後はプログラムした通りの制御を確実に実行します。また40台までのLPCを1つのタイムラインで制御できるため、40台を同期して制御することが可能です。そのため、個々のLPCは DMX512ch,1024ch, 2048chの出力になりますが、複数を組み合わせることでさらに多くの照明器具を制御することもできます。
VLCのように照明器具を使ってピクセルアレイを構成し、映像コンテンツを使って個々の照明器具を映像の1ピクセルとして制御することも可能なため、多様な使い方が可能になります。より多くのDMXチャンネルを1台のLPCで管理したい場合は、LPC-X シリーズを選ぶことで、1台で大出力のDMXチャンネルを持つことも可能になります。(LPC-Xはラックマウントタイプ)
VLCはLPC製品と比較して何が異なりますか?制限はありますか?
VLCはビデオライトコントローラーの名前からわかるとおり、映像で照明を制御する製品です。つまりレイアウト画面に配置したピクセルウォール形状の面に対して、タイムラインで再生する映像を配置することで、映像のピクセルカラーをDMXレベルに変換、その出力を照明器具に送ると、映像の変化に合わせて照明の色や明るさが変化するというものです。
この性質から、VLCではレイアウトに配置できる照明器具が限定され、LED器具のような映像のピクセルを表現できる器具に限定されます。具体的にはムービングライトのような演出器具はセットアップができないということです。またジェネリックライトの分類でもDALIのような照明器具を配置することが不可能です。それは照明制御の方法がタイムラインに限定されており、静的な照明シーンを作る機能が利用不可となるためです。
またVLCではLPCシリーズのようにグループを組んだり、特定グループでマトリクスを作成することもできません。VLCにおいては1つのコンテンツターゲットが自動で作成され、VLC+においては2つのコンテンツターゲットが用意され、そこに映像を配置するだけになります。そのためLPCと異なり、タイムラインにドラッグ&ドロップして使用できる各種の照明制御パターンは、グループやピクセルマトリクスで利用可能なビルトインパターンが利用できません。VLC専用のビルトインパターン又はインポートする映像でのみ制御が可能です。
VLCシリーズの時刻精度について知りたい
VLC及びVLC+の時刻補正はNTPサーバーの参照により行われます。その意味ではインターネットへのアクセスが必要ですが、もしインターネットアクセスのない環境で使用した場合の時刻誤差は、+/-35ppm(Pulse per million)になります。この制度は同じハードウェアを使うLPC-Xも同様になります。
この+/-35 ppmを1年間の時刻誤差で計算すると+/-18分になり、VLCまたはLPCXにおいては、かなり大きな時刻の誤差が発生してしまいます。このハードウェアの場合は、タイムサーバーへの接続は必須となり、もしインターネットアクセスが不可能なケースでは、ローカルネットワークに接続可能なタイムサーバー製品のご利用をお勧めします。
VLCとLPCX何が違う?
LPX-XはハードウェアもVLCとほぼ同じデザインで、100ユニバースまでならピクセルマトリクスが使えるためVLCと変わらないように見えます。しかし映像に特化したVLCはストレージサイズもLPC Xが16GBに対し、VLC:128GB VLC+ : 512GBと大きくなります。また、LPC-Xが100ユニバースまでの出力制限があるのに対し、VLCは1500ユニバース、VLC+が3000ユニバースと大出力を許容している点で大きな違いになります。
これに対しLPC-Xは出力数は100ユニバースまででも、VLCと異なりLEDピクセルなど特定の照明器具に縛られないムービングライトなどあらゆる照明器具のセットアップが可能で、スタティックシーンの作成や映像だけに縛られないビルトインパターンを利用したタイムラインの作成など、VLCよりもプログラマブルな性質を持ちます。
VLC はどのような設備で選択する製品ですか?
VLCは照明を映像のピクセルとしてとらえ、映像を使って照明の色、明るさを制御することに特化した製品です。そのため、大量のDMXチャンネルを出力することが前提で、ラックマウントタイプの大型の製品になります。LPCのように単一の照明器具を点灯させたり、パターンをプログラムすることはできず、ピクセルアレイの中に照明器具を配置し、映像のピクセルサイズの中に、配置した照明器具のピクセルアレイを重ねて、映像の色や明るさで照明器具を制御します。
大規模なビルディングファサードや照明変化を映像的にみせる目的の演出に活用できます。
VLCで利用できる映像コンテンツの仕様が知りたい
VLCは照明を制御するのに映像コンテンツを必要とします。コンテンツは映像のほか、写真なども利用できます。下記が利用可能なファイルコンテナー(フォーマット)です。
- .asf
- .avi
- .divx
- .dv
- .f4v
- .flv
- .m2v
- .mov
- .mp2
- .mp4
- .mpe
- .mpeg2
- .mpeg4
- .mpg
- .wmv
- .jpg
- .jpeg
映像メディアの解像度は最大1080Pになりますが、映像コンテンツの解像度は、出力する照明のピクセルアレイサイズに合わせるのがベストです。コンテンツの容量を無駄に大きくすることがなく、効率的です。フレームレートは33fps、これはDMXのリフレッシュレートがデフォルトで33Hzであるためです。33以上のフレームレートも処理できますが、DMXのリフレッシュレートに合わせるのがベストです。また、ビットレートは1080Pのサイズで5Mbps程度、これは解像度によって下げることができます。個々のファイルサイズには制限があり、4GB以下に抑えなければなりません。
エキスパートを外部から別の装置で制御できますか?
エキスパートコントローラーは2ポートの接点入力を持ちます。外部機器からの制御は、この接点入力を用いるか又はタッチパネルコントローラーを使う方法とまた、クラウドサービスを契約し、Pharosクラウドからの制御という選択があります。しかし、BMSや外部からくるUDP/TCPなどのプロトコルによるリモート制御は、現在のバージョン(v0.9 )では実装されていません。
複数のエキスパートコントローラーを同時に使用できますか?
デザイナーシリーズと異なり、エキスパートシリーズは1プロジェクト1コントローラーのみです。コントローラを追加することはできません。そのため必要となるDMXの出力数で、XPC1又はXPC2を最初に選択する必要があり、後から出力を追加することはできません。
Expertは常にNTPサーバーに接続すべきですか?
Expertの時刻補正はインターネットに接続し、SNTPによりタイムサーバーを参照することで補正されます。XPCのConfigurationにはタイムサーバーの指定欄があります。しかし、施工する場所によってはインターネットアクセスが不可能な場合もあります。その場合、タイムサーバーの参照はできないため、Expertをスタンドアローンで運用することになります。この時、XPCの内部クロックはどの程度の誤差になるでしょうか?
ハードウェアの時刻精度を左右するのは内部のパーツの精度だけでなく、温度や経年劣化なども影響しますが、XPCの場合 25度の通常の温度環境で、+/- 1ppm (parts per million )の精度と言われており、スタンドアローンの運用で、1年間の時刻誤差は +/- 31秒程度が想定されます。この数値は他の制御製品、プログラムタイマーと比較しても、かなり高い精度で、時刻補正をしなくとも、長期間の運用ができると言えるレベルにあると思います。もし年間+/-30秒以内の精度を求める場合は、同じネットワーク内に参照可能なタイムサーバーを設置するなど(GPS,FM電波)で対応が可能です。
エキスパートコントローラーとLPCは何が違うの?
LPC製品は他の演出制御用コントローラーと比較して、非常に簡単且つ、設置が容易な製品です。エキスパート同様に使い方が簡単な製品と言えます。
しかし数多くの機能をもたせることで、多様性は生まれるものの、LPC、VLCのプログラムを行うためのデザイナーソフトを操作するスキルに高いレベルが求められることは否めません。それはつまり、完成する照明制御システムや照明デザインが、デザイナーソフトを取り扱うインテグレーターのスキルに依存するという意味でもあります。
こうしたプロフェッショナルなレベルにあるLPC & VLC製品に対し、機能を一部制限しつつ(外部機器との連動、外部システムへの組み込みはできません)プログラムソフトウェアの操作性をシンプル化し、ウイザード形式でステップbyステップで必要なデータを入力するだけで誰でも簡単にスマートな照明制御システムを構築できるようにデザインされた製品がエキスパートシリーズです。
エキスパートシリーズは、1台のコントローラーでDALIの出力とDMXの出力を管理することができ、制御チャンネルの数は1024chまでしかありませんが、小規模な設備であれば、LPCよりも安価でシンプルなエキスパートは選択する価値があります。
製品はコントローラーのほか、PoE対応のスイッチングハブ、DMXスプリッターなどが同じ形状のケースデザインで提供されます。またプログラムを行うソフトウェアはエキスパート製品専用のため、LPCやVLCとは互換がありません。