概要
モドバス(Modbus)はプログラマブルロジックコントローラ (PLC) 向けに開発されたシリアル通信プロトコルで、仕様がオープンであることから、産業用電子機器の通信における最も一般的な方法として広く活用されています。
Modbusには、現在ではTCP /IP の接続方法もありますが、一般的にはシリアル接続となるRTU(バイナリーフォーマット)の方式が利用されています。このRTU方式の接続をワイヤレス化し、ケーブル接続の煩雑さを解消するとともに、物理的に接続が難しい箇所への通信を実現し、施工の際の工事負担を軽減するソリューションがワイヤレスModbusです。
無線モジュール:MWA-N2
技術適合認証: 017-200015
電子機器・パーツ商社
機器の接続(Modbusネットワークの形成)
W-Modbusユニットは一台をゲートウェイに設定すると、通信可能な範囲にあるその他の製品はルーティングノードとしてゲートウェイを中心にメッシュネットワークを自動的に形成します。ゲートウェイにModbusのクライアント(マスター)を接続、その他のノードにModbusサーバー(スレーブ)機器を接続します。個々のノードにID設定は必要がなく、接続されたModbusサーバーのIDをプロキシーします。ノードにRTUケーブルでModbusサーバーを接続し、正しいボーレートで繋がるとノードはModbus IDを識別します。
製品はウォールマウントタイプとDINレールタイプの選択が可能なほか、複数のModbusサーバー(スレーブ)を1つのノードに接続したい場合は、W-Modbus Proの選択が可能です。W-Modbus Proをは4台のサーバーを接続することができます。
製品特徴
LumenRadioのワイヤレスモドバスは、メッシュトポロジーを自動的に構築する製品です。ゲートウェイとなるノードを1つ選択し、コミッショニングを行うと、ゲートウェイを中心にそれ以外のノードがすべてルーティングノードとなり、自動的にメッシュトポロジーのネットワークを形成します。ゲートウェイに接続したModbusクライアントから通信が開始されると、複数のノードがクライアントからの通信をルーティングし、ターゲットIDを持つサーバーが繋がるノードにそれを届けます。サーバーの応答も同様に複数のノードがルーティングしてデータをゲートウェイへと届けます。
ワイヤレスメッシュの構築はすべて自動で行われ、通信経路もホップ数を最小化して最適なルートを自己形成してネットワークを構築します。個々のノードがパケットをルーティングするため、建物内の全体にくまなくネットワークを構築することが可能で、1つのゲートウェイに対し最大100台のノードを接続できます。
2.4GHz
Cognitive Coexistence
認知と共存
- 非常にシンプルで簡単なセットアップ
- ロングレンジの通信距離
- 認知共存の独自技術により電波干渉への高い耐性
- ノードごとに個別のボーレート設定が可能
- 自己最適化するメッシュネットワーク
認知共存とメッシュネットワーク
WIFIでもなくBluetooth meshでもない独自のプロトコル
W-Modbusの大きな特徴は認知共存と呼ぶLumenRadio社独自の電波干渉を軽減する仕組みが組み込まれており、2.4GHz全体で1MHz単位の切り替えを行い、衝突が発生するたびに空きスロットを見つけて切り替えることで、たえず他の電波による干渉を避けるよう動作します。この周波数ホッピングの仕組みを使いながら、同時にルーティングノードを使った通信経路の最適化を実行するため、通信経路に問題が発生しても、新たなノードを使って最適なルートを見つけます。この製品はまさに通信経路の自己修復が可能なワイヤレスメッシュの製品であり、独自の周波数ホッピングとメッシュの仕組みを利用することで、非常に信頼性の高い無線通信を実現します。
(
セットアップ(コミッショニング)
W-Modbusユニット内部にある3極スイッチでゲートウェイ(Modbusのマスターに接続)にするかノード(Modbusのサーバーを接続)にするかを切り替えて使用します。マスターとするユニットを決めたら、内部にある3極スイッチをセンター位置に切り替えるだけで、電波の届く範囲にある他のユニットを接続していき、自動的にメッシュトポロジーを構築します。
(ノードに使用する製品は内部の3極スイッチの位置を上にセット)
Modbusのマスターとスレーブ機器のW-Modbusへの接続は、それぞれ任意のユニットにRTUケーブルで繋ぐだけです。ボーレートも異なるボーレートがそれぞれのユニットで設定可能で、どのようなモドバス製品も接続ができます。
コミッショニングの手順
W-Modbusの内部にある3極スイッチを上部にセットした状態はノードモードの設定です。個々のノードがネットワークに参加していないければ、このモード時に電源を入れるとLEDはブルーで上から下にランニングした状態になります。
1 ゲートウェイを選択
ゲートウェイに設定する製品を決めたら、スイッチをセンターにセットします。ゲートウェイノードのLEDはグリーンでランニングします。
2 ノードが接続される
しばらく待つと、ブルーでランニングしていたノードがグリーンで点滅を始めます。
3 セットアップの完了
全てのノードが緑で点滅していることを確認して、ゲートウェイのスイッチを一番下の位置にセットします。全てのノードは黄色で点滅を開始します。しばらく待つと、それぞれのユニットは適切な色で表示を行い、ネットワークの形成が完了したことを知らせます。
ゲートウェイ:
3つあるLEDのうち一番目のLEDだけマジェンタで点灯
ノード:
上2つのLEDがグリーンで点灯、MOdbusサーバーが接続されていれば一番下のLEDはグリーンで点滅
簡単セットアップ
親機、子機の区別なく必要な個数を用意するだけ
W-Modbus製品はゲートウェイとノードの区別はなく、すべて同じ仕様の製品です。セットアップは非常に簡単で、Modbusのクライアント(マスター)に接続するゲートウェイを選択し、内部のスイッチで設定するのみです。他のユニットは自動的にゲートウェイを中心に自動でワイヤレスメッシュを構築します。ゲートウェイに1ユニット、サーバー(スレーブ)機器につなげるノードを必要な台数分用意するだけで、それ以外に必要なものはありません。
製品仕様
(ウォールマウント)
入力電源 | 24VAC (50~60Hz) / 24VDC |
最大消費電力 | 2.5W |
ケーブル | 0.14~0.5㎟ / AWG24-20 |
周波数帯域 | 2.4GHz (2400-2483MHz ) |
ボーレート | 9600 / 19200/ 38400/ 76800 bps |
最大接続数 | 1台のゲートウェイに対し100ノード |
最大ホップ数 | 8ホップ(1ネットワーク内) |
ノード間の最大通信距離 | 見通し500m(建物内では50m~70m) |
IPクラス | IP40 |
動作環境温度 | –20 ~ +55℃ |
寸法 | W86 xH86x D25.5mm |
製品仕様
DINレール
入力電源 | 24VAC (50~60Hz) / 12~ 24VDC |
最大消費電力 | 2.5W |
ケーブル | 0.2~1.5㎟ |
周波数帯域 | 2.4GHz (2400-2483MHz ) |
ボーレート | 9600 / 19200/ 38400/ 76800 bps |
最大接続数 | 1台のゲートウェイに対し100ノード |
最大ホップ数 | 8ホップ(1ネットワーク内) |
ノード間の最大通信距離 | 見通し700m(建物内では50m~70m) |
IPクラス | IP20 |
動作環境温度 | –20 ~ +55℃ |
寸法 | W36.5 x H93x D58.7mm |