照明のワイヤレス制御
現代の照明はそのほとんどがLED光源へと入れ替わっており、これら照明は単に点灯、消灯だけでなく、明るさや色を制御するという需要が生まれ、照明制御の仕組み作りが、今後さらに重要になります。
照明の明るさを制御する場合、電源ラインにPWM(PWM調光)などの仕組みを挟み込むだけでなく、複数ある照明の一括制御が求められる際には、制御信号を使い、遠隔から照明をリモート制御する仕組み作りを行います。こうした制御信号には、DALIやDMXといった標準化されたデジタル信号があり、照明制御のために個々の照明器具やLEDドライバーに対して、電源以外に制御信号を接続する必要が出てきます。照明器具が少ない場合やリモート制御を行う場所が近接していれば、制御信号敷設に問題は生まれませんが、多数の照明器具を遠距離から一括制御する場合に、制御信号線敷設コスト、工事の手間、施工の煩雑さといった問題が出てきます。
当社ではLED照明器具のための制御信号のワイヤレス化を実現する製品の提供により、通信線のケーブルレス化で生まれる器具設置の自由や、工事コスト圧縮と工事期間の短縮に貢献します。

屋外照明の制御
屋外の照明を制御する場合に、制御線の敷設は非常に大きな問題になります。既存の設備では、電源はすでに設置されていても、制御線などは設置されていません。このような既存設備の改修工事において、簡単に制御のための通信を実現するのが制御線のワイヤレス化です。
既存設備の改修だけでなく、照明の新設工事においても同様に、ワイヤレスは設置工事負担軽減に非常に高い効果をもたらします。ワイヤレスにより、照明器具設置に自由が生まれ、これまで制御することが不可能であったエリアにまで制御を拡大、大多数の照明を一括して制御することを可能とします。
屋外照明という分野には、さまざまなケースが含まれ、ランドマークとなる建築、ビルディング照明の他、庭園の照明、スポーツ施設の照明、駐車場、道路照明など、これら屋外に点在する照明を1つにつないで制御する際にワイヤレスは最適な通信インフラになります


遺跡やお城のライトアップ、庭園のライトアップやビーチを染める演出など、カラーをつかった動的な照明制御が必要であれば、DMX制御に対応した照明器具を使うことで、ワイヤレスDMXが利用できます。ワイヤレスDMXは1つの送信機で512chのデータを電波が届く範囲にある受信機に送ることができます。1つの送信機に接続できる受信機の数に制限はなく、広大なエリアに点在するすべての照明を1つのコントローラーで一括制御することが可能です。
ダイナミックライティングの制御
カラーを使う動的な照明演出、映像を使った照明制御、なめらかに変化する明るさの表現に、DMX制御は必要不可欠な制御方法であり、単に点灯させるだけでなく変化する照明シーンが求められる設備や空間において、ワイヤレスDMXは通信インフラの簡素化に貢献するだけでなく、費用の圧縮、工事の簡素化、照明設置の柔軟性など、数多くのメリットが生まれます。他のシステムでは不可能な通信環境でも、当社で提供する屋外向けワイヤレスDMXは、将来にわたり安心できるDMX制御を実現します

道路照明の自動化(Airglow )
よりシンプルに、特別な照明コントローラの設置なしに、美しく同期した照明制御を実現したい。それは演出とは言わないまでも、広大なエリアがセンサーに反応して唐突に点灯するのではなく、多数の照明が同期した上でやわらかく変化することは、目にも優しく都市の照明には必要な要素ではないでしょうか?
駐車場や公園、サイクリングロードなど通常は日没後に点灯するものの、不要な時間帯はエナジーセーブの観点でハーフレベルにダウンしておき、センサー入力により必要な時に100%に変化するような照明制御も、ワイヤレス製品で実現が可能です。エアーグローはワイヤレスメッシュ通信で最大200台のライトがセンサー入力や時間を共有し、必要な時間帯、タイミングで登録された照明シーンを特別なコントローラーなしに再生します。
これは無線装置だけで照明器具同士をつなぎ、照明器具だけで自立した照明シーンを再生するソリューションです。夕暮れや日没などのスケジュールによる照明制御から、センサーによる照明変化など最大8シーンまでの照明シーンを再生します。

エアーグローのメリットは、特別な照明コントローラーやプログラムなどの費用が不要なことです。照明器具個々にエアーグローを埋め込み、LEDドライバーをDALI制御に置き換えることで、200台のライトが8つのシーンを共有し、DALI2センサーなどの入力により、同期して変化します。設定は専用のアプリを利用し、完了したデータをBluetoothで1つのエアーグローにアップロードするだけで、その設定はすべてのエアーグローに共有されます。公園やマンションの敷地内、広大な駐車場、テーマパークなど、数多くの照明器具が点在して存在する空間において、エアーグローは照明器具同士を結びつけ、照明シーンを再現する機能を提供します。不要な時間帯には、自動的にエナジーセーブの光量へ変化し、センサー入力で再度100%に変化するなど、照明のエナジーセーブにも貢献します

撮影照明のためのワイヤレス
映画やドラマの撮影、ミュージックビデオの撮影など撮影現場の照明は、広範囲に点在する形で照明が設置される上に、演出の都合でその位置が大きく変更になることが起こります。こうした現場では照明器具はバッテリーで駆動され、必要になればすぐに位置が変更されるため、制御線をつなぐことは、ほぼ不可能です。
さらには照明そのものをドローンに搭載し、上空からキーライトをターゲット対象に照射するなど、物理的にケーブルが接続できない環境が起こり得るため、撮影現場の照明にこそ、ワイヤレス化は不可欠なものになりました。当社では高品質のワイヤレスDMX製品により、非常に要求の高いプロフェッショナル現場をワイヤレス技術で支えています。
撮影現場だけでなく、イベントや劇場などエンターテイメント分野で求められるDMX制御は、大量のDMXチャンネルを遅延なく、高いリフレッシュレートで送信することが求められ、受信機は何台存在しようとも、同期した出力が要求されます。
このような高い要求に耐えるワイヤレス技術は、ほとんど存在せず、当社で取り扱うLumenRadio社が唯一のリーディングカンパニーです。このLumenRadio社の日本代理店として、当社はすでに15年以上、同社のワイヤレス製品を日本のエンターテイメント産業に提供してまいりました。

屋内照明のワイヤレス (DALIのワイヤレス化)
商業施設やオフィスビル内の照明は、DALI制御が一般的になりました。標準化されたプロトコルを使い、照明コントローラーから一括して制御ができる点で、便利なDALIプロトコルですが、DALIの通信ラインをコントローラーからケーブルでつなぐ必要があり、コントローラーと照明器具間に常にケーブルを敷設する手間があります。このDALI通信をワイヤレス化することで、コントローラーから離れた位置で、ケーブル敷設が困難な場所にもDALIの制御を届けることが可能になります。
ワイヤレスDALIは、DALIバスラインに設置された送信機から照明コントローラーのメッセージを遠く離れた別のDALIバスラインに設置する受信機で受け取り、物理的につながっていない2つにDALIバスラインを接続します。