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Contact closure & Relay

1か0の2つの状態を表現するもっともシンプルな入出力インターフェースがコンタクトクロージャー、または接点、ドライコンタクトクロージャーと呼ばれる入出力インターフェースです。

PLCコントローラーの時代からコンピューターを使う現代まで、物理的な接続のオンまたはオフにより、機器の動作を制御する手段として利用されており、メディアプレイヤーなどはPlayやStopという2つの状態を入力される接点接続の状態で切り替えたり、センサーによるリレー等のオンオフを照明の点灯、消灯、シーン切り替えに利用したり、また出力においてはスモークの電源オンオフやCo2の電磁バルブ、特殊効果の実行に制御装置から出力される接点制御でリレーを制御して実行したりと、多様な物理的な機器制御に利用されます。ここではショーコントロールの現場で多用される接点入力と出力、リレー回路などについて解説します。

リレー回路

物理的な接点(接続)を有するスイッチにリレーがあります。リレーは制御端子にDC電圧を加えることで稼働側の端子が電磁石の作用でオンやオフになり、電源の物理的なスイッチとして利用できます。これらリレー制御にはメカニカルな接続を伴う有接点とソリッドステートリレーのような半導体を使う無接点リレーがあります。

接点、無接点リレーのどちらをつかっても、出力側はスイッチオンかオフという状態で、電源の2線のうちの1つにリレーを挟むことで電源のオンオフができます。このスイッチを電源の制御ではなく、接点入力のある装置に入れると、受信機器としてはポートがオープンまたはクローズという状態として受け取ります。この2つの状態の変化をきっかけに例えば、照明シーンを再生したり、オーディオプレイヤーの特定のトラックを再生したりする制御に利用されます。

リレー接点を機器に入力する際、リレーの開閉状態を常時オープンまたはクローズとすることで、2つの方式が生まれます。

  • A Form (A接点) Make Contact またはNormally Open
  • B Form (B接点)    Break Contact またはNormally Close

このほかにもC接点などもありますが、機器制御の入力としては上記の2つになります

無電圧接点

接点の開閉に電源はなく、単に回路の開閉でしかないため、これらは無電圧接点と呼ばれます。

無電圧接点の場合、受信する機器側では入力ポートが閉じたか、開いたかで、内部的にアクションが選択できます。この場合、接点とそれを受ける装置との間の閉回路に、電圧を加えたり電流を流す意図はなく、受信する装置に対して論理的に0または1の変化を提供することで内部のアクションにつなげることが目的です。

ドライコンタクトは物理的なスイッチで代用でき、ポートをクローズまたはオープンにすることでそれを受ける装置の条件制御に利用できます。電源不要のため、エマージェンシーボタンや緊急停止などの制御に有効です。また電圧をかけないため、機器間で電流が流れることがなく、機器損傷のリスクも少ないと言えます。

有電圧接点

無電圧接点に対し、DC等の電圧を加える接点のことをドライに対してWetContactとも表現します。この有電圧の接点はショー制御関連製品の場合、受信する装置はDC電圧のHigh StateとLowStateを1または0と判断し、制御のトリガーに使用します。多くは5v~24v等のDC電源を使用します。無電圧と異なり回路には電源が入るので、回路内に電流が流れます。そのため有電圧接点を受ける装置については接点容量(電流容量)と付加できる電圧を確認する必要があります。

有電圧接点の用途としては、それを受ける装置に直接電圧を与えて起動したり、間にLED等のランプを入れてスイッチオンになったことを目視で確認できるようにしたりする等があります。無電圧と異なり直接電圧を加えて、機器の動作を制御するなどの目的があります。

 

デジタルインプット

無電圧接点、有電圧接点を兼用にした外部からのスイッチオン、オフを装置内部で0または1として処理する入出力インターフェースは、デジタルインプットと表現されています。または、こうした入力をGPIと表現する製品もあります。

回路の開閉と電圧入力を兼用としたデジタルインプットボードの場合、接点の開放と閉鎖、電圧の高、低ではその状態の認識が逆になるため注意が必要です。デジタルインプットでHighStateの状態は、接点入力の場合は抵抗が高いつまり回路が開放された状態で、事実上それは回路がオフの状態。デジタル入力がLow Stateという状態は、低電圧という意味ですが、これが接点入力の場合、抵抗が低い、つまり導通があるということで、ポートはクローズとして判断します。このように電圧の入力による高、低と接点のクローズ、オープンでは判断が逆になる点が注意点です

下図はPharosのLPCにおけるデジタルインプットの設定です。この製品ではデジタルインプットポートのモードを接点、有電圧接点、アナログの3タイプに切り替えて使用することができます。

 

アナログインプット

外部から入力されるアナログの0~10v電圧変化などを、装置内部で変数として処理するアナログ入力ボードがあります。上記のデジタルインプットと異なる点は変化する電圧などを認識できる点です。デジタルインプットや接点入力はオンかオフまたは電圧がHIgh or Lowという2つの状態しか認識できませんが、アナログ入力は可変する電圧を認識するため、0v~10vなどの連続的な変化を変数として処理できる点が優れています。

リレー出力

ソリッドステートリレーなどを内蔵して、外部に接点出力を提供する製品があります。主にショーコントローラー製品などになりますが、照明やオーディオ製品の拡張インターフェースなどの製品に見ることができます。これらインターフェースは外部機器の制御、特に物理的な電源のオンオフなどの目的で、外部のリレーなどと組み合わせて利用されます。

接点出力の場合、単に開閉器のため極性表示はなく、多くはそれぞれのピンが独立していて、指定された2本のピンをスイッチとして使えます。製品によっては片側のピンをコモン端子として複数の接点出力で共有し、グラウンド表示になっているものもあります。この場合、異なる複数の機器を接続する場合、それぞれの製品の極性について注意する必要があります。